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用いて単位セメント量を減少させた場合の配合結果を示す。高性能AE減水剤のみで単位セメント量を減少させた場合、単位セメント量200kg/mでは材料分離状態になり、良好なワーカビリチーが得られれる限界の単位セメント量は230kg/m3となった。この時の減水効果がなくなる高性能AE減水剤の限界添加率はNS、AS、PCとも単位セメント量に対して3%となった。高炉スラグ微粉末とフライアッシュを混入した場合は、混入しないセメントのみの場合と比較し、AE剤の添加量は増加するが高性能AE減水剤の限界添加率は同じ3%となった。
3. 2 単位セメント量と圧縮強度
Fig.1にNS、AS、PCの高性能AE減水剤のみを用いた各単位セメント量において、添加率を1.5%から限界添加率まで0.5%刻みで増加させ減水させた場合のセメント水比と圧縮強度の関係を示す。単位セメント量230〜290kg/m3の範囲において、同一水セメント比では単位セメント量が減少するに従い圧縮強度は増加する傾向を示している。これは、セメントペースト量の減少分を骨材に置換しており、また、同一セメント水比のセメントペーストの強度は同一と考えられることから、コンクリートマトリックス中の骨材のインターロッキング効果によるものと考えられる。従って、通常のコンクリートの水セメント比50〜55%の範囲(セメント水比で2.0〜1.8の範囲)では、良好なワーカビリチーを保持しつつできる限り単位セメント量を低減させ、骨材量を増加させることはコンクリートをより密実にできるものと考えられる。

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Fig.1 Relation between compressive strength and C/W

(Age of 28 days)

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3. 3 高性能AE減水剤の主成分と圧組強度
Fig.2〜Fig.4に単位セメント量別の高性能AE減水剤の主成分の違いと圧縮強度の関係を示す。単位セメン量290、260kg/m3ではポリカルボン酸系高性能AE減水剤ナフタレン系高性能AE減水剤、アミノスルホン酸系高性能AE減水剤の順に同一添加率における減水効果が高く圧縮強度が大きいことが認められる。しかし、単位セメント量230kg/m3の場合、添加率2.0%以下での圧縮強度は、ナフタレン系高性能AE減水剤、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、アミノスルホン酸系高性能AE減水剤の順に大きく、添加率2.5%では、ナフタレン系とポリカルボン酸系とも同程度となった。特にポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、ナフタレン系高性能AE減水剤、アミノスルホン酸系高性能AE減水剤と比較し、添加率の増加に伴い減水効果は高くなるが、セメント量が少なく水セメント比が60%程度と高いため、安定したワーカビリチーの確保が難しい状態であった。従って、単位セメント量が230kg/m3、水セメント比が50〜60%程度の領域では、ナフタレン系高性能AE減水剤の適用が有効と考えられる。

Fig.2 Relation between Compressive strength at age of 28 days and dosage of superplasticizer

(Unit cement content 290 kg)

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Fig.3 Relation between compressive strength at age of 28 days and dosage of superplasticizer

(Unit cement content 260 kg)

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Fig.4 Relation between compressive strength at age of 28 days and dosage of superplasticizer

(Unit cement content 230 kg)
3. 4 混和材と圧線強度Fig.5〜Fig.6にフライアッシュおよび高炉スラグ微粉末の材令と圧縮強度の関係を示す。高炉スラグ微粉末

 

 

 

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